こんにちは、京華です。
本日は、中国語の方言と漢字の種類について書きたいと思います。
中国語の方言
「思いつく中国語を一つあげてみて下さい」と言われたら、なんと答えますか?
「ニーハオ」「シエシエ」「モーマンタイ」「イーアールサン」
くらいかな?
この中に一つだけ、仲間はずれがいます。どれでしょう?
正解は「モーマンタイ」です。
なぜなら、これだけが広東語で、ほかは普通話だからです。
ちなみに「モーマンタイ」は漢字で書くと、「有問題」
(「有」の月の中の二本棒がない漢字で、どうにも入力できませんでした、すいません!!)。
「問題ない」という意味です。
国土の広い中国にはいくつもの方言があります。
7とか10とかあるのですが、私はそんなに知らないので、代表的な物を紹介します。
![](https://ichitabi.com/wp-content/uploads/2021/03/chinese-language-map-300x238.png)
百度百科より
1.北方語
今の中国で「標準話・普通話」と呼ばれる、現代中国の標準語です。
私たちが知る「ニーハオ」「シエシエ」の言葉、いわゆる中国語です。
北方語といいますが、北方の地域だけでなく華南・華中の内陸部、四川省・雲南省まで、すごく広い地域で話されている言葉です。
(上の言語マップでは、「官話」となっています)
中国で話されている言語の約7割が北方語です。
2.粤語(えつご)
広東省や広西で話される言葉です。
方言を原則禁止している中国ですが、広東語はテレビチャンネルがあるくらいアイデンティティを持っています。
90年代までの香港映画では、広東語を話していますね。
香港やマカオでは公用語の一つ。
広東省出身の華僑や華人の間でも話されています。
話者約8000万人の第三の方言です。
3.呉語
上海・浙江省・江蘇省南部などで話されています。
北方語に次ぐ、中国第二の方言です。
話者数は約9000万人。
4.閩語(びんご)
福建省・台湾で話されています。
台湾と福建省は海を挟んで近いので、言葉が似ているのです。
福建省では福建語、台湾では台湾語といいます。
華僑・華人には福建省出身者が多いので、彼らの間でも話されます。
話者数は約7000万人。
5.客家語
客家は広東省や福建省の山間部、台湾に住む、客家語を共有する漢民族です。
華僑・華人の中にも、客家出身者がたくさんいます。
著名人も多い民族です(客家:ウィキペディア)
彼らの中で話されている言葉が客家語です。
話者数は約3000万人。
注釈:華僑・華人の出身は、広東省・福建省・客家が大半
標準話・普通話とは
以上のように、中国本土には方言が多く、違う方言を話す者同士の意思疎通が困難であったため、「普通話」という標準中国語が作られました。
それは、中央政府のあった北京あたりの北方語がベースになりました。
普通話の英語訳は、マンダリン(mandarin)といいます。
清の時代、中国にやってきた宣教師達は、地方の官僚が方言以外に中央政府向けの公用語(北京官語=普通話)を話していることに気づいて、「官僚(マンダリン)の言葉」と読んだことに由来します。
このように北方語は公用語になる下地がありました。
中国政府の標準語施策により、学校などの教育現場では普通話を教え、国営テレビは普通話を話します。
このように普通話は普及し、大半の中国人は普通話を理解するようになりました。
自分の住む地方の方言と普通話のバイリンガルが多いです。
さらに中国の経済発展も相まって、普通話をもともと話さなかった香港やシンガポールなどでも普通話は話されるようになりました。
中国語学習について
このように中国語の種類は多いです。
これから中国語学びたいと思ってるのに、一体何を勉強すれば良いのやら・・・と思うかも知れませんが、選択肢は一つ「普通話」を学ぶべし。
なぜなら普通話を話せたら中国・台湾・香港・マカオ・東南アジアの一部の国・世界各地のチャイナタウンで通じるからです。
(中国返還以降、今では香港でもマカオでも、普通話が通じます)
まずは普通話を話せるようになって、それから、自分が行きたい・住みたい所の方言を少しでも話せるようにしましょう。
だれでも、自分の生まれ育った土地の言葉を話してくれたら、うれしいですよね。
それが外国人ならなおさらです。
親近感は格段にアップします。
(とはいえ、台湾3年、広東省5年住んだ私自身、あんまり話せないのですが・・・)
漢字の種類
中国語の漢字は2種類あります。
簡体字(ジィェンティーズ)
こちらは、中華人民共和国とシンガポールなどで使われています。
1950年代、毛沢東は文字改革を指示し、それまで使われていた漢字を簡略化しました。
(私は1960~70年代の文化大革命で変えたと思っていたけど、違いました)
シンガポールは華人が多く、シンガポール独自の簡略体を使っていましたが、1970年半ば、中国大陸と同じ簡体字が使われるようになりました。
例をあげると、
語→语(言偏が変化しています)
愛→爱(下の部分が友になっています。マイナーチェンジな感じ)
豊→丰(繁体字の豐の上の部分を一部拝借。大きくチェンジしました)
簡体字の歴史的変遷は、詳しくは簡体字:ウィキペディアをご覧下さい。
繁体字(ハンティーズ)
こちらは台湾、香港、マカオで使われています。
中国大陸で元々使われていた漢字です。
「元祖漢字」という位置づけですね。
中国大陸でも、観光名所に置かれている石碑に書かれているのは繁体字です。
ちなみに日本の旧字体漢字とほぼ同じです。
例をあげると、
伝→傳
会→會
など、昔の岩波文庫に出てくる漢字といえばわかりやすいでしょうか。
日本の漢字は
日本で現在使われている漢字ですが、こちらは旧字体を簡単にした物です。
なので、繁体字に似ている字もあれば、簡体字に似ている字もあります。
私個人は、中国語を台湾で勉強したので、繁体字の方がピンときます。
戦後まで日本も繁体字の方を使っていましたし。
中国語を学習するにあたって、どちらの漢字を学ぶか?という問題があります。
日本の中国語テキストは、簡体字の物が多いので、簡体字を勉強するのが良いでしょう。
しかし、個人的にはどちらでも良いと言いたいですけどね。
偏の変化のしかたはすぐに覚えられるし、
繁体字から大きく変化している文字だけ要注意です。
大きく変化した物だけ覚えれば良いのでは?と思っています。
まとめ
いかがでしたか?
中国語の方言と漢字の種類を紹介しました。
中国語学習においては、
まずは普通話を。
漢字は簡体字を先に学ぶのが良いでしょう。
私の息子(小5まで中国の現地校に通っていた)は、台湾の学生は漢字の画数が多いから大変だな~といいます。
私自身は、あの画数の多い堅苦しい繁体字の方が見た目がきれいだな~と思います。
要は個人のお好み次第です。
中国語を勉強していく中で、そんなことはあんまり難しく感じなくなっていきますから。