書評

経済小説はおもしろい おすすめ作家と読むメリット

こんにちは、京華です。

あなたは、経済小説はお好きですか?

人にはそれぞれ好きな小説のジャンルがあると思うのですが、

一見、堅苦しく難しそうなジャンルである経済小説は、本当におもしろいし、ためになりますよ。

私は大好きです。

以下、経済小説の魅力をお伝えします。

 

経済小説の定義

経済小説とは、おおまかに「お金や仕事、それにまつわる暮らし、社会問題について書いてある小説」といえると思います。

そして、その内容からいくつかのジャンルに分かれます。

  • 全体的な経済や財政、政策、金融などをテーマにしたもの
  • 個人の視点から、仕事観、生きかたや働きがいなどを書いたもの
  • 企業や業界の仕組み、問題点などをネタにしたもの

 

経済小説のおもしろさ

面白いポイントはいくつもありますが、

  • ストーリー性があるので、読み物として面白い
  • 経済やビジネスの知識を、苦もなく増やすことができる
  • 時代感覚をみがくことができる
  • 登場人物を通して、生きかたや働きがいを気づかせてくれる

経済や政治・金融・社会問題の本、または、ビジネス書を読むとき、私たちはその中に書かれている知識を得たいと思っています。

そういう本は、最近ではエンターテイメント性を持たせた本もありますが、たいていは知識が網羅された味気ない本が多いものです。

経済小説は、フィクションの世界のことが書いてあるにせよ、

作家たちは綿密な取材や調査をし、ちゃんとした裏付けをとっています。

私たちは読み物として楽しんでいる間に、中に書かれている情報・知識をぐんぐん吸収することができるのです。

知識だけで勉強していくと、つまらないからすぐ忘れます。

おもしろいとストーリー記憶として頭に残ります。

 

また、その小説の時代背景を感じることができます

私は40代半ばの第二次ベビーブーマー世代です。

高度成長期の人間でもないし、はっきり言ってバブルの記憶もありません。

大学生の頃には、長い不況に突入していました。

たとえば高度成長期を舞台にした小説を読むと、その当時の人間の考え方や世間の有り様が生き生きと書かれています。

団塊の世代(戦後のベビーブーマー世代)の人たちが何を考えて、なぜこのように生きてきたのか? 知識としてだけでなく、感情面でも納得することができます。

 

また、小説なので、主人公をはじめ、様々な登場人物がでてきます。

彼らの心の動き、人との対処の仕方、仕事への取り組み方、生き方など、

あげるときりがないくらい学ぶことが多い

しかも、登場人物に感情移入することによって、彼らの心の動きを感覚的に理解することもできます。

 

そう、経済小説は、小説を楽しみつつ、知らぬ間に経済やビジネスなど、多くのことを学ぶことができるのです。

はじめて経済やビジネスを勉強したいと思っている学生や社会人にとっても、とても良い入門書になります

経済小説の作家たち

時代順に書いていきます

(私の読んだことがある作家さんだけです。そしておすすめの本です)

 

城山 三郎:「雄気堂々」(資本主義の父・新一万円札の渋沢栄一氏が主人公です)

官僚達の夏」(高度成長期のトップ官僚たちの話。組織の中で働く男達の生き様)

山崎 豊子:「沈まぬ太陽」(5巻ある長編。日本航空の実在人物がモデルの話)

華麗なる一族」「大地の子」「白い巨塔」「不毛地帯」などなど。

ドラマになっている物が多いので、長編小説が苦手な人は先にドラマをみるといいかも。

高杉 良:「金融腐敗列島」(バブル期の銀行が舞台の小説)

江波戸 哲夫:「ジャパンプライド」(リーマンショック時の銀行の物語)

幸田 真音:「日本国債」(日本国債が初めて未達になり、世界が大混乱に陥る)

小説ヘッジファンド」(ヘッジファンドを舞台にした金融初心者でもわかりやすい小説)

楡周平:「Cの福音(朝倉恭介シリーズ)」「プラチナタウン」など

牛島 信:「株主総会」(弁護士が書く企業法律小説)

池井戸 潤:ドラマ化多数「半沢直樹シリーズ」「下町ロケット」「7つの会議」など

黒木 亮:「トップレフト」「獅子のごとく」(金融機関や商社を舞台にあいた小説が多い)

橘 玲:「マネーロンダリング」「タックスヘイブン」「永遠の旅行者」(こんな生き方もあるのだ、と、人生観が変わるかもしれない小説)

小説以外にも、時代を席巻した著書が多い「お金持ちになれる黄金の羽根の拾いかた」「言ってはいけないー残酷すぎる真実」「上級国民 下級国民

真山 仁:「ハゲタカシリーズ」(企業買収の攻防戦がスリリングに描かれている)

などなど。

(他にも有名どころがいっぱいなのですが、あくまでも私個人が好きな作家さんを、紹介させていただきました)

 

簡単ではありますが、ざっとあげても多いですね。

大変骨太な作品が多いので、読み応えがあり、ハラハラドキドキが止まりません。

以上の読書傾向から、私は金融とか外国が絡んでいる作品が好きみたいです。

大体90年代後半(幸田真音より下のリスト)からの作品は、グローバル化が進んだ時代背景を映し出している物が多いような感じがします。

国際経験豊かな作家さんが多いからか、外から見た日本、国際問題への分析はとても鋭く、「日本大丈夫か?」と思わせられる作品も多いです(笑)

 

まとめ

いかがでしたか?

金融小説は、エンターテイメントです。

経済知識がなくても、文中にわかりやすく説明してあり、難しいことはありません。

そして、ビジネスに心血を注ぐ男達の姿は、とてもかっこいい。

その内容は学ぶことが多く、「生きる力」を身につけ、「時代の問題」に気づかせてくれます。

ぜひ経済小説を読みつつ、楽しみながら学び、人生に役立てましょう。